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「春のひまわり 春のアサガオ」 4

 私はスズカにいい人が出来て楽しく過ごしているなら、それで別に構わないと思っていた。ただ、秋になっても学校に姿を見せないスズカが心配になってきた。
 唯にスズカの事を聞かれた翌日、偶然とは面白いものでスズカが学校にやってきた。スズカは少しふっくらしたように見えるが、目は明るくない。昼休みに話しかけてみたが、喋ってみればいつものスズカだった。でも、目が明るくないのが気になる。

 帰りにスズカと学校の近くの公園で少し話をした。スズカが人のいない所で話がしたいというのだ。

スズカ「ウチなあ、少し前に彼氏が出来たんや。前にオタクのオフ会に出席するって言ってたやん、あれで見つけた」

私「えっ、スズカは男苦手だったよね?どういう事?」

スズカ「苦手やと思ってたんやけど、オフ会に一人いい人がおってね、最初は女の子かと思ったんよ、色白で可愛いし髪も長くて」

私「ああ、なるほど。漫画みたいな美少年がいたと」

スズカ「でなあ、その人を女の子かと思って話しかけたんよ、そしたら男だったんや(苦笑)でもな、とても楽しくていい人やったんや」

 スズカはその男の子を、好きな漫画の好みも合うし、なんだか話しやすい人だし、マメにメールくれたりして良い人なのだと言った。そして、その人と知り合ってから三回目のデートで告白されて付き合い始めたのだと言った。「彼って、アニメイトの店先で告白してきたんよ。店で探していた本を見つけてテンション高かったウチを見て、なんだか可愛かったんだって」

 私はスズカの笑顔が本当の笑顔でないような気がしていた。彼女もやはり隣に居てくれる人が欲しかったんだと思うと、頑なだったこれまでの心の壁はいったい何だったんだろうと思う反面、これで良かったんだろうかとも感じた。

「スズカ、今幸せ?」
 私は野暮な事をぶつけてみた。多分、やきもち半分、冷やかし半分。

「実はな、彼が一週間連絡くれないんや。メールも返ってこない。電話も出てくれない。家に行ってみようかと思うんやけど、なんかそれは悪いかなって」

 スズカの顔から笑みが消えた。なんか悪い事を聞いたような気もしたが、質問に対する答えにもなっていないところはスズカらしいなと、心で苦笑いした。でも、本当はどうなんだろうか?幸せなのだろうか。気になり始めたところでスズカはバイト行く時間だからと立ち上がった。

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