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「春のひまわり 春のアサガオ」 2

 私は実は本当は専門学校なんて行きたくない。なんとなく美容師にでもなるかと思っただけ。美容師になって、まわりは女の子ばかりの環境で仕事がしたいだけ。エステシャンとかも考えたけど、就職先が限られていそうだから、そこは現実的に考えて美容師にした。

 ああ、今日も一人で学校から駅までの道をぼんやりと歩く。校内ではまわりの子達と楽しそうに話しているが、帰りくらいは一人になりたい。そんな雰囲気を充満させているから誰も声を掛けてこない。だが今日は違った。

「ハルカ、ちょっと待ってよ」

 唯が後ろから走ってきた。仲村唯。栗色のショートが似合う、ちょっと老け顔の子。同い年とは思えないくらいしっかりしているので私はよく「唯は子持ちな奥様だもんね」とからかう。唯はそれを言われるのは嫌みたいで、必ず真顔で怒るのだがケンカにはならない。

 唯がちょっとコーヒーでもと言うので、駅前の有名店なカフェに入る。私はこの店が苦手だが、唯はまんざらでもないみたいだ。唯だって田舎者なのだけれど。

 唯はコーヒーを二口ほど飲んでからシリアスな表情で聞いてきた。

「最近、スズカが学校に来ないけど、なんか聞いてる?」

 清水涼香、スズカはとてもおとなしい子で、漫画が大好きで、同人誌に小説も書いている子である。そういうキャラの子がなぜ美容師に?と思うのだが、本人曰く、美容師をやりながら携帯小説家をやりたいのだそうだ。洋服には無頓着な子だけれど、メイクや髪型にはウルサイ子で、人の髪をいじってみたくて仕方がないみたいだ。
 そう、スズカはよくわからない子だ。

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