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雑誌と編集者

 先週図書館から、宮脇俊三さんの「終着駅」という本を借りてきた。この本は昨年秋に出版された、宮脇さんの単行本未収録作品を集めた紀行エッセイ本である。
 宮脇さんは元中央公論社の編集者だが、その宮脇さんが雑誌について語っているエッセイがあった。
 曰く、趣味雑誌はその趣味に対して情熱のある者達が薄給で作っているものだが、商業雑誌は、知識や熱意がある訳ではない者がマスコミの華やかさに引かれて入社して作っている。

 私は少し前まで雑誌中毒で、毎日のように雑誌を買っていた。近所の本屋から「いつもありがとうございます」 と贈呈のタオルを貰った事があるくらいなのだが、部屋が雑誌で埋もれてしまうので自重するようになった。

 そんな雑誌中毒な私でも、買うのは趣味雑誌、いわゆるオタク雑誌ばかりだった。
 例えば車の雑誌なら、カーセンサーやベストかーなどではなく、Tipoという雑誌。Tipoは旧い車や最近のでもマニアックな車、例えばロータスだとかアルファロメオみたいな車を取り上げている雑誌だ。
 趣味がパソコンな私だが、パソコン雑誌はほとんど買わず、唯一気に入りよく買っていたのはMac Fanという雑誌だ。Macの雑誌なのだが、実用的な記事以外にも、アップルのMacやiPodなどに対する設計思想やデザイン思想について語るコラムがあったり、社会とMacの関わりについてなどまで、読み物が充実している雑誌だ。それらの連載は単行本化もされており、私の本棚にも何冊かある。
 普通の車雑誌は車選びやドレスアップについて記事を掲載する。普通のパソコン雑誌はパソコンの裏技や新製品紹介記事を載せる。しかし、私はそういう実用的な記事には興味が湧かない。何故ならば、作り手の知識や思い入れが浅いからだ。

 実用的な記事ならば、メーカーが用意した資料でも記事は作れるが、商品に対しての思想や歴史や社会的背景についてまで語ろうとすれば、知識と熱意がなければ書けない。

 一般的な実用雑誌、つまり商業雑誌が物足りないのは、まさに作り手の知識と熱意が足りないからだと私は思っている。そういえば、カメラ雑誌も撮影技術やカメラの性能比較の記事ばかりなので買わない。

 こだわりというものがダサイものとされがちな世の中だが、面白いものをこだわり無くしては作れないのではないか?そう思うのである。

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