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下諏訪の温泉

 春休みの青春18きっぷの有効期限最終日である4月10日に、中央本線の日帰り旅をした。
 4月上旬、この時期の中央本線は花街道である。桜は勿論、山梨市付近では線路の両側に広がる桃畑には桃の花が色づき、線路脇には菜の花が鮮やかに彩りを添える。昼過ぎに着いた松本城も、堀の周りは桜の木が満開であった。

 松本からの帰り道。夕食は甲府駅前でほうとうを食べるつもりだが、その前に夕暮れの静かな町を歩きたい。私は下諏訪で降りてみた。
 大きな湖である諏訪湖のほとりには上諏訪と下諏訪と二つの町がある。それぞれ諏訪大社の上社と下社があるが、町としては諏訪市である上諏訪の方が栄えており、駅前にはデパートがあり、またそのデパートには温泉が入っていたり、駅のホームには足湯があったり、観光客受けする要素も備えている。
 それに対して下諏訪は諏訪市ではなく下諏訪町だから周辺人口は少なく、駅前の建物の高さは低い。

 諏訪大社では前日から御柱祭が行われていて、この日は下諏訪にある下社で開催されていた。御柱祭は、大きな柱を男達が力を合わせて運ぶ荒っぽい祭である。
 駅を降りると祭を見終えた人達で賑わっている。下諏訪は片側一車線の道ばかりで商店も少ない。普段なら夕方は静かな町だろうが、こういう静かな町が祭で静かに明るく盛り上がっている姿は悪くない。

 下諏訪には11の温泉共同浴場があるが、以前訪れた時に入った菅野(かんの)温泉を選んだ。時間の余裕がないため、駅から近くてわかりやすい場所を選んだ。菅野温泉は何回も入りたくなる温泉ではある。

 菅野温泉は白壁の建物の一階の通り抜けの中に入口がある。木の引戸を開けると下駄箱があり、自動販売機で220円の入浴券を買うと楕円形のプラスチックのプレートが出てきた。これを番台に渡して入る。
 脱衣場のロッカーは木製で扉がないので、貴重品は番台に預けてから入浴。
 白い壁と天井が高い。20人くらいは入れそうな広さだが、両脇に備えられた蛇口は10人分くらいしかなく、浴槽も五人くらいが妥当な広さだ。所々が少し欠けたタイルが古さを演出する。

、いい気分で温泉を出て駅までを、行きとは違う道を選んで歩く。太陽が傾いてきた下諏訪の町は、祭の匂いも和らぎ、静かな夕方へ姿を変えていく。
 誰も歩いていない小道に山から吹く風が通りすぎていく。駅の回りだけはまだ帰りの客で賑わい、祭がまだ続いているかのようだった。

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