« いい人 | トップページ | クリスマスという日 »

ペンと米谷さん

 この前、ヤフオクで「オリンパスのすべて」という本を手に入れた。探していた本だから嬉しい。
 本の内容はオリンパスカメラを全部紹介している訳ではなく、オリンパスの設計者米谷美久(まいたによしひさ)さんの作ったカメラがメインとなっている本だった。ペン、ペンF、OMシリーズ、XAシリーズ。個性的なカメラたち。

 私が思うに歴代の世界のカメラ設計者、何千人いるのかわからないけれど、その方々の中でトップクラスと思われる有名人は、ライカの基礎を作ったオスカーバルナックと、米谷さんだと思っている。米谷さんは世界的に有名なカメラ設計者だ。
 米谷さんは町中でサインを求められる世界でおそらく唯一のカメラ設計者だ。ダイヤモンドペンというカメラパーツに番号を刻むための工具があるそうだが、ファンがカメラにサインを求める事があるために、それをサイン書き用として持ち歩いていたそうだ。

 米谷さんがオリンパスに入社二年目に手がけた最初の仕事、オリンパスペンは、安さと手軽さで世界中で大ヒットして、シリーズ累計1700万台を売った。
 会社からの6000円のカメラを作れという命題に応えるべく、米谷さんはアイデアを凝らした。部品点数を減らす。巻き上げレバーをなくして、フィルム巻き取り軸に巻き上げダイヤルを同軸に配列するなど、徹底的にパーツを減らしコストダウンした。普通のカメラが二万円、大卒初任給が一万五千円の時代である。
 しかし、レンズだけは妥協しなかった。米谷さんはバルナック型ライカを駆使して写真を撮り、雑誌に入選した経験も持つ。ライカのサブになるファミリーカメラ。オリンパスペンは、使いやすく手軽で安いカメラでありながら、レンズはしっかりしていたのだ。
 今時のデジカメは、コストダウンのためにレンズ描写を犠牲にする事が多々ある。ペンの時代は、設計者の誇りが表現されていた時代なのだろう。

 こうして、オリンパスペンは1959(唱和34)年発売された。そのデビューから50年。今年、オリンパスからペンの名前を付けたデジカメがデビューした。いつもは新製品には辛口だったという米谷さんが、質感がとても良いと笑顔を見せたそうだ。

|

« いい人 | トップページ | クリスマスという日 »

カメラ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1081873/32477933

この記事へのトラックバック一覧です: ペンと米谷さん:

« いい人 | トップページ | クリスマスという日 »